トヨタ・子どもとアーティストの出会いin石川 シンポジウム 報告

トヨタ・子どもとアーティストの出会い石川実行委員会が主催するシンポジウムが、11月22日(日)に開催されました。

会場となったのは、金沢21世紀美術館。
子どもとアーティストの活動に関心を寄せる多くの市民の方々にお越しいただきました。

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さて、今回のシンポジウムのテーマは、「アートで育む子どもたちの居場所」ということで、大きく3つのプログラムを展開しました。

まずひとつ目のプログラムは

NPO法人芸術家と子どもたち代表理事の堤康彦による基調講演。
 『 子どものいる場にアーティストが行く意味 』 と題して、 学校、特別支援学級、児童養護施設などでのワークショップの実践事例の報告と、そこでの成果についてお話をしていただきました。

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アーティストと子どもを繋ぐ活動を先駆的に実践されてきた堤さんのお話は、子どもたちがアーティストとの出会いを通じて、創造する力や他者との関係性を構築して行く力、チャレンジしようとする力等、子どもたちの新しい能力を引き出すきっかけとなっていることを証明するとても興味深く貴重な内容でした。
これから、アーティストと子どもを繋ぐ活動を始めたいと思っている方が谷はぜひともきいていただきたいお手本です。

2つ目のプログラムは、パフォーマーの川口隆夫さんによるワークショップ。
川口さんは、2012年の金沢市で開催した弥生児童クラブでのワークショップを手がけていただいたアーティストです。
今回は、このシンポジウムにご来場いただいた方々に少しでもアーティストと子どもが関わることの意義を感じていただく為の体験プログラムとしてワークショップを展開。
内容は、自分の名前や好きなものの文字を組み替えて、呪文の様なものを作り、身振り手振りを交えて表現してみようというもの。

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恥ずかしがりやの子どもたちと、半信半疑ながらも興味を持った参加者の方々約20名が、川口さんの軽快な進行に引っ張られて創作して行きます。
自分の名前や好きなものの言葉を解体して行く作業は、思いのほか楽しく、読み上げると更に楽しい。ちょっと発音を変えてみると確かに呪文のように聞こえる!
ワークショップ終盤は、何やら怪しいまじないを唱える不思議な集団のようにも見え、観客席からは笑いが起こるユーモア満載のワークショップとなりました。
いや〜アーティストって本当に面白いことを考えてくれますね!!

シンポジウム後半、最後のプログラムはパネルディスカッション。
堤さん、川口さんに加え、小松市立東部児童センター館長小坂泰子さん、画家のかるべめぐみさん、公益財団法人金沢芸術創造財団事業課長近藤恭代さん、そしてトヨタ・子どもとアーティストの出会い石川実行委員会代表の塚本浩子さん、総勢6名によるパネルディスカッション。
テーマは、『アーティストと子どもたちが出会うことの可能性』ということで、仕掛ける側、繋げる側、受け入れる側、様々な立場から意見交換を行いました。

このディスカッションで興味深かったことは、アーティストの皆さんにとってもこの種の活動がとても刺激的であるということ。本来活動の対象である子どもたちに助けられることもしばしばあったとか。アーティストの方々の創作意欲や社会との向き合い方にも変化が起こるということに気付かされるエピソードが語られました。

また、活動を受け入れる児童館や地域の立場の話に及ぶと、ワークショップを機会に施設と地域住民が繋がって行くプロセスや、施設に関わる職員の方々の意識の変化など、子どもたちとアーティストの活動を介して周辺の大人が変化し、子どもたちを取り巻く環境に影響していく可能性も見えてくることがわかりました。

単にワークショップが子どもにどう影響するかという話にとどまらず、大人にとって、地域にとって、そして社会にとってどのような可能性を秘めているのか。パネルディスカッションでは最後まで意見がつきないプログラムとなりました。

さて、こうしてシンポジウムは閉幕しましたが、石川県では、今後もより発展的にアーティストと子どもたちが出会う活動を実施していくことを目指しています。

今回の機会にご参加いただいた方々の中から、新たな担い手が出てくること、そして活動そのものを応援しようとしてくれる方が現れることを願いつつ、新たなスタートをきることになりました。

トヨタ・子どもとアーティストの出会い事業としても、これからも石川県での活動を応援し、注目して行きたいと考えております!!